防音工事・遮音工事

 音 の 豆 知 識 


◆住まいの音の伝わり方は2種類
一般に住宅では次の2種類の音が同時に存在します。
1.空気音 ジェット機の音、自動車の音、楽器の音、人の話し声など、空気中を伝わって耳に届く音を空気音といいます。
2.個体音 2階の足音やスピーカーの振動音、電車やトラックの振動、トイレの排水音など床や壁を伝わって聞こえてくる音を固体音といいます。
空気音と固体音では伝わり方かまったく異なるので、防音の方法もそれぞれ違ってきます。

◆距離が2倍になれば音の強さは1/4に
 云わる音の強さは距離の2乗に反比例します。つまり、音源から離れるほど防音はしやすくなります。この法則をもとに考えると、「寝室や書斎、勉強部屋などは、ピアノ室からできるだけ離して設計する」ことは、かしこい住まいづくりの1プランであるといえます。

◆デシベル(dB)とホンについて
 デシベルは、音の強さを計量するときの最も基本になる「モノサシ」です。しかし、人間の耳は大きな音には敏感に反応し、物理的な音の強さを調整して聞いています。こうした人間の耳を基礎に音の強さを計量する「モノサシ」がホンというわけです。

  ところで、私たちが音を考える場合には、デシベルとホンはほぼ等しいと思ってさしつかえありません。
◆音の大きさを1/2にするには壁は4倍に
 耳に聞こえる音は、10dB低くなるとほぼ半減して聞こえます。たとえば、30dBの遮音性能がある壁を40dBのの遮音性能にしようとした場合、壁厚を1.3倍にすればよさそうですが、実は4倍の厚さが必要なのです。遮音が難しいといわれる理由は、こういった音のもつ厄介な性質にあります。

 実際の住まいでは壁をそんなに厚く出来ませんから、薄くて遮音性能がよい材料が必要なのです。

◆空気音を防ぐには
1. より重く、より厚い材料を選定する
 天井・壁・床の遮音性能は、使用材料の単位面積あたりの重量によって決まります。したがって重量が大きいほど遮音性能はアップします。
2. 隙間をなくす
 音は空気の振動ですから、空気の通路になる隙間があると、そこから音が漏れてしまいます。ドアや窓の隙間、天井・壁・床の取り合い部の隙間、換気口など音の通り道になる箇所は確実にふさいでください。簡単なようですが、施工上は難しい、とても重要なポイントです。
3. コインシデンス効果(共振)について考える
 重くて硬い材料にも、音に対する弱点があります。「コインシデンス効果」(特定の周波数で透過損失が低下する現象)が生じることです。 これを防ぐには、各種材料を複合して使い、材料のもつ固有振動を抑える方法が効果的です。
4. 多重構造にする
 遮音性を上げる為とはいえ、むやみに壁を重く、厚くするわけには行きません。そこでお勧めするのが、壁や窓を2重にする「多重構造」です。下図の様に、1重壁では厚さを2倍にしても遮音性は5dBしか向上していないのに対し、2重壁の場合はそれぞれ、30dBが加算でき、80dBの音を20dBまで大幅に減少できます。

◆固体音を防ぐには
1. 構造を強固にする
 軽重量構造より木造、木造よりコンクリート造というように、構造体の剛性を高めることが、固体音の防止につながります。木造は住宅の場合においては、梁や根太を太くするなどして構造強度を向上させることが基本です。
2. クッション性のある材料を使う
 足音や落下音を防ぐには、カーペットや木質フロアーの下地にクッション性のある材料を敷き込むのが効果的です。
3. 浮床にして構造体と絶縁させる
 
ハイレベルの遮音を必要とする場合は、「浮床構造」を採用し、床と構造体の縁を切って、音の伝達を防ぐのが効果的です。遮音構造の天井を防振ゴムで吊る方法なら2階床から発生する固体音の防止にも有効です。

◆防音効果を2倍にすると費用は4倍に
 放送局のスタジオのような完璧な防音ルームをつくることも可能ですが、想像以上に費用がかさむことも事実です。一般に、建物の遮音性を5dB(約1.4倍)上げるには、およそ2倍の費用が掛かります。したがって10dB(2倍)の遮音性を得るには実に4倍もの費用を必要とするのです。どの部屋をどのレベルの防音設計にするか、特にハイレベルな防音をお望みの場合は、じっくり検討することが肝心です。
◆1に遮音、2に吸音、3に音響コントロール
 一般に、「防音」「遮音」は同じ意味に使われ、音を通さないことが防音であると考えられています。しかし、実際の生活の場合では、これではかえって不都合なのです。遮音性のみを重視した部屋は、音がビンビン響いてしまい、長時間いると生理的に苦痛を感じるようになります。快適住まいの防音は、音を遮音するだけでなく、音のクッションの役目を果たす「吸音」性能とバランスが大切です。音の反射と合わせ、残響時間のコントロールに欠かせないのが吸音です。

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